ウェブ人間論


ウェブ人間論 (新潮新書)

ウェブ人間論 (新潮新書)


本を読むことの意義を知識の体系的な理解と定義付けると、この本は読まなくてもいいかもしれません。対談形式が好きな方、梅田氏、平野氏ファン、あとはレポート書きたい大学生向けかな、と。


両氏には明確なスタンスの違いがあり、あるトピックにおいては交わったり近づいたりするのですが、最終的には相容れない形で終結しています。この点は良くも悪くもあるものの、ある程度幅広い内容について話すことが最初から目的に置かれていたように感じ、相反したトピックに対しての議論が浅い印象を受けました。自分の感覚を徹底的に信じて発言する平野氏に対して、ITに対するかかわりの長さにおいては比にならない梅田氏がそれをのらりくらりとかわして淡々と進む、そんな印象を強く受けました。よって、メリハリがなく腹に落ちず、読了感もあまりよくありません。


レポート書きたい大学生向け、と書いたのはさまざまなトピックに対する問題提起にはなっているな、と感じたためで、もやもやした自分の感想を補足的、もしくは対立的に論じれば面白いレポートになりそうな気がします。


面白く記憶に残っている内容は1点、はてなの取締役会で梅田氏が詰められるシーン。本が売れるということは大変なんだな、と思いました。


新書だからさくっと読めると思いきや、いろいろと考えさせられる内容満載で、少し時間かかりました。さて、もう少しスピード上げないとな。


(目標達成まであと97冊)