ターゲティング広告はまだ進化するのだ(とエリックシュミットが言う)

"The market for targeted advertising is still very young, with lots of innovation and lots of improvement still to come," said Eric Schmidt, CEO of Google.


http://news.searchenginestoday.org/0006-news-search-engines/001546-030607021528476910-news.shtml


ま、そりゃそうですよね。それは日常生活を送る中で、ターゲティングされてんなー、と思う機会がほとんどないことからも分かると思います。そしてそれがテクノロジーの進化によって精度が上がっていくのも当然で。


で、論点はターゲティング手法ではなくデバイスへ。

One of those places is mobile phones and devices. Schmidt spoke highly of the forthcoming iPhone and mobile phones in general as "the first highly targetable devices." "The iPhone is an incredible product. It's the first full-featured phone that's a music player, Internet browser and computer," said Schmidt. "I'm sure there will be many more of these kind of devices coming soon."


最初の標的はiPhoneをはじめとするモバイルデバイス。「24時間30センチ以内に存在するデバイス」ですから、行動さえトラッキングできればこれ以上ターゲティングに対して親和性のあるプラットフォームは存在しないでしょう。確かに。敵は法規制だけかと。


日本でも今年の4月以降に発売されるケータイにはGPSの搭載が義務付けられるらしいですし、おサイフケータイの名のもとに大規模な課金のプラットフォームが成立しつつあります。トラッキングシステムとか画面の視認性とか、いろいろ問題はありますが、2007年はマーケティングの面で大きな進化を遂げそうですね。モバイル。


で、次なるデバイス

On the subject of a different platform, Schmidt said about 90 to 95 percent of TV viewers are already exposed to random ads. "It's a constant barrage of ads that aren't relevant. Pet food for people without pets, baby products for families without kids, etc. Even a small improvement in relevancy would have a very large overall impact."


TV。この記事は当然USの現状を元に描かれているわけですが、およそ90〜95%の視聴者はランダム(ターゲティングされていない)な広告を見ている、と。ここで気になるのが残りの5〜10%。シュミットはどんなCMを「ランダムではない」と考えているのでしょうか。ローカル局のローカルアドか何かかな。


GoogleAdWordsで行っているターゲティング手法がTVの広告においてもワークするのであれば、それは確かに「very large overall impact」です。「iTV」のようなIPアドレスを検出することのできる(つまりインターネットに接続されている)テレビの普及率も上がってくるでしょうし、GoogleがTV広告に対して影響を及ぼすのもそんなに遠い未来のことではないかも。シュミットがアップルの取締役に就任したのにはそのあたりの狙いも多いに含まれているのでしょうし。


といった感じで、ターゲティング手法の進化というよりもターゲティングデバイスの拡大、そしてそれに伴う市場の拡大、究極的には「Googleこれからも伸びます!」という、多分にコマーシャルな記事でした。


すべてのテレビにIPアドレスが付与されたとき、TVで流される広告はTV広告なのか、インターネット広告なのか、さて、どっちかしら。