テレビ東京だけで観られる、なんだか素敵なCMについて


珍しくぼーっとテレビを見ていると、とても違和感のあるCMが。荒井由美に乗った長尺CMにしばし釘付けになりました。家族の夏はいいですなー。で、調べてみるとこんなページが。

Friend-Ship Project
http://www.tv-tokyo.co.jp/f-project0707/


20世紀フォックスと読売新聞、ツインリンクもてぎの共同出稿を電通澤本氏が作るという企画物だったようですね。何のためらいもなく読売を担いじゃうあたりがさすがテレ東です。

《 Men's Room 》 テレビ東京「手をつなごう Friend-Ship Project」第2弾
http://www.mens-room.net/assistant/2007-3rd/FSP_2007summer.htm


CM単体で終了、ネットをはじめとした他メディア、プロモーションとの連動性がないので、スポンサー各社にとってどれほどのバリューがあったのかは測定のしようがないわけですが、クリエイティブ構成上は可能性を広げるいい取り組みだな、と思います。CMプランナーにとっても腕の見せ所、というか。


クロスメディアじゃなくてクロスコミュニケーションなんです! メディアはそもそもクロスしているもので、あえてクロスさせるものじゃないんです! なんていうことを良く話すようになっている昨今、クライアントをもクロスさせてしまうのはいいですね。


消費者として生活をしていると、単一の企業により提供される商品のみに接して生きていくなんていうことは当然なくて、そういう意味で消費者の生活をリアルに映し出すという目的意識がある場合、複数のクライアントが提供する商品を日常生活における価値に転換させながら描いていくというのは、至極まっとうなアプローチ手法だな、と感じます。もちろんそのアプローチが商品をメインにしたものではなく、消費者の生活に軸足をおいたものでなくては、とたんにその作品は白けることになるんでしょうが。


消費者の重層的な日常を、多角的に描く。少し考えてみたいですね。


で、少し話し変わりますが、少し仕事の話。


モグラとかでばっさばっさ消費者をセグメントするのはやっぱり微妙で、それは私が検索エンジンマーケティングというドメインで食ってきたから、というのもあるんでしょうが、ターゲット含有率だけでメディアプランニングをするのはやっぱり何か違うと思うんですよ。それは枠売りをしているのとなんら違うことではないので。


技術的な困難性はさておき、検索まで極端なターゲティングは不可能にしても、ユーザーのおかれている環境をもう少し冷静かつ正確に捕捉しながら表現行動が行える、そんなプラットフォームになる努力を怠っているんじゃないかなあ、ネットは。ビヘイビアとか目新しい技術は(アメリカで)開発されていますが、なんだかもっと何かがある気がしていて、それはもちろんおそらくはユーザーのメディア接触態度、もうすこし言うとどれだけメディア側に消費者が情報をさらすか、にも拠ってしまうとは思うものの、その違和感をバリューが超えれば一気に普及するはずで。


あるもので何とかしよう、という中流階級的な発想をしていると、クライアントばかりか消費者を喜ばせることもできないので、週に1度くらいそういうぶっ飛んだことを考えるスキームも必要なのかな、と思った土曜の深夜でした。


さて、がんばりますか。