オープン・アーキテクチャ戦略


まっとうだし、潔いし、まあ、当然だと思う。

「退却ー!」でおなじみのFlashアニメ「やわらか戦車」が“出身地”のlivedoorを離れてポータルを横断する。9月21日発売のリミックスCD 「やわらか戦車-REWORKS-」のプロモーションの一環で、Yahoo!JAPANや@nifty、gooなど、ポータルとしてはlivedoorのライバルに当たるサイトにも、13日から順次、動画などのコンテンツを提供。各社の協力を得て広く告知していく。


Yahoo!やニフニフでも「退却ー!」――やわらか戦車が“ポータル横断” - ITmedia News:
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0709/14/news032.html


やわらか戦車というコンテンツそのものは「ライブドアだからこそ」生まれたものではなく、本文中にある

特設ページからは、各社のプロモーションサイトにリンクを張っている。「livedoorからトラフィックが外に出て行くことになるが、出て行っても、やわらか戦車ファンは必ず帰ってきてくれるから」


っていうのはちょっとなんだかなあ、という感じがしますが、プロモーションとしてはこれが「普通」なんですよね。


自社のウェブサイトをメディア化する、つまりウェブサイトそのものに対してなされた何らかの仕掛けによりトラフィックや滞在時間を増加させてブランドに対する接触時間を増やし良質なコミュニケーションを行える土壌を作るというのは、すべてのWebマスターが描く理想像だと思いますが、言うは易し、行うは難し。


だとすると、基本的にはWebサイト、もしくはWeb上のコンテンツに集客を行うためには外部メディアの力を借りなければいけないわけです。その外部メディアのうち有力な、つまり膨大なトラフィックを導く可能性があるのがYahoo!やMSNに代表される「ポータル」なわけで。


もちろんポータルである限り他ポータルには出稿できないというのは広告業界においては当たり前で(競合として指定されている場合は出稿できません)、たとえばYahoo!ライブドアのバナーを見ないのはそんな理由があるわけですが、(一応ライブドアの)やわらか戦車はOKということで、コンテンツとしての展開であれば可能性があるのかな、というのが発見。


APIやらなにやらで、オープン化が急激に進んで、国領先生が言うところの「オープン・アーキテクチャ戦略」が8年のときを経て完全にリアルになろうとしているこの瞬間、競合指定排除なんていうオールドメディアのフォーミュラで戦略展開していても未来はないと思うんですよね。自社のコンテンツに自信があれば、当然ヤフオクビッダーズのバナーが回ってもいいわけで。比べてもらってさらいエクイティが向上するようなブランド戦略を行ったほうが精神衛生上良い気がするんです。そのブランドにかかわるすべての人間にとって。