WEBのマーケットについて思うこと。


日本における黎明期からLPOを扱っている身としては、なかなか複雑な思いになるニュース。

無料LPOツール「ねこすけLPO」公開、タグ付けだけでLPOが可能に :MarkeZine(マーケジン)
http://markezine.jp/article/detail/4221


もちろんツールの提供だけで、ソリューション(この場合はユーザーインサイトの把握とかそこからのクリエイティブワークとか)を提供しないと何の意味もないんだけど。


で、ふと、「伸び続けるマーケットというのは、どういう風に形成されるのだろう」と、やや悩みスタート。

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需要が供給を上回っているとそのマーケットは伸びる、というのがもっとも単純なロジックで、今のWEB市場はまだ、もう少しこのフェーズなのかな、と。ただ、局地戦を見ていると、ダンピングが起きている部分もあったりしまして。


質の高い、信頼のおけるサービスを導入したい、というクライアントニーズはあるにせよ、価格の大小が意思決定要因になるケースは今でもたくさんある。で、なぜか。


ひとつは、納品物が物理的に存在しづらいこと。特にテクノロジカルな部分はノウハウとして外部に見せることができない場合が多く、必然的に「結果を見てください」となりがち。で、傾いた家を納品されればクレームをつけられるし、デベロッパーも「地震があったからんです」なんて外部要因を言い訳に使ったりしないだろうけど、WEB(に限らないかもしれないけど)マーケティングがシミュレーション通りの結果を残せなかった場合、「競合が」「市場環境が」などなど、いくらでも言い逃れができてしまう(もちろん、言い逃れではなくて、それが本質である場合もたくさんありますが)。


もうひとつは、WEBがROIを可視化してしまうツールだから。上記のとおり「あくまでシミュレーションはシミュレーション」となってしまうと、「どこを使ってもそれほど変わりはない」となってしまい、そうなると必然的にコストを抑えて運用したくなってしまう。当然、任せるパートナーによってその結果というのは大きく変わるのだけど、過去実績以外にそれを担保するものがない。今のところ。


産業として伸び続けているドメインにも必ずこういうタイミングがあったはずで、WEBのマーケット全体にもいつかそういうことが来てしまう気がしていて、来るべき時に備えて今から打てる手はすべて打っていきたい、そう思わせるニュースでした。どんな手を打つか? それは企業秘密です。