皆様のコメントに対する返信(「ブログ広告.com」関連)


貴重なご意見をコメント欄にて多数頂戴しました。
それぞれに対するレスを再度コメント欄で行うと見辛いことこの上ないので
皆様への返答という形でエントリにしました。


ご確認ください。

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id:cow53さん


どもども。

この議論にある「ブログ広告.com」のようなサービスってどうしてもやらせと思われたり、事実ソニーの件のような自体も発生してしまい、ユーザからの信頼というのを受け入れがたいサービスなのかなっていう印象があります。


そもそも人間には「良い体験を人に紹介したい(裏では「自分が目利きであることをアピールしたい」)」という欲求があると思うのですが(「AISAS」の「Share」)、そういう欲求は原則実体験(Action)に基づき生じるもので、他人がどうこう言ったところで根本的な紹介欲求はなかなか発生しないというのは避けえない事実かな、と。


よってこのビジネスは、そのモデル自体にかなり無理があると私も思っています。ブログ広告.comのような事業者から提供された情報に対する消費者の接触態度は、「金がほしいからとりあえずがんばって(もしくは適当に)書く」か「紹介したいと思わないからスルー」かのどちらかである可能性が現状では非常に高いと思っています(それは広告主企業がまだそれほど集まっていない初期段階であることも影響しています)。


下手なことを書くブログは全体のPVをはじめとした指標に影響が出るでしょうし、そもそもその不自然なエントリは読まれないでしょう。また、読者は当然その広告主(であろう企業)には余りいい印象を持たない可能性が高いと思われます。エントリレベルでもブログレベルでも、読者に対して誠実ではないコミュニケーションを行うと、自然と淘汰されていってしまうんじゃないかな、と考えています。


個人的な一番の違和感は、広告主側にとってもユーザー側にとっても、ひいてはブログ広告.comのような紹介会社にとっても、これほどリスクの大きいマーケティングプラン、そしてビジネスモデルであるにもかかわらず、その認識と真摯な姿勢があまりないように見える、という点だったりします。


ただ、こればっかりは実際に「やってみないとわからない」ところで、現時点でこのビジネスのありやなしやを判断するのは早計かな、と思っています。口コミは自然発生するもので、コントロール不可能なものであると定義付けてしまうと、そこで思考が終了してしまうので、もうすこし静観(時には参加)しつついろいろ考えていきたい、というのが今の率直な思いです。

いかにユーザを気分よくさせられるか、気持ちを持ち上げられるか。ユーザにとって価値があるってことがユーザのニーズに応えていくことにつながって、結果双方にwin-winな結果が訪れるのだと思うと、ユーザにとってどうなのか?ていう視点を忘れてはいけないなぁと、イチサービスに携わっている私自身、思うところです。


結局はそのサービス自体の根本的な質の向上、というところに議論が落ちがちなのですが(それができれば一番良いのですが)、広告代理業ってのをやっていると、自分の信念にに反した商品、もしくはなかなか売れそうにないな、という商品をコミュニケーションのとり方やセグメントの仕方なんかでなんとか市場に流通させることも必要になってくることがあるようです(幸いにも私はそんな風に感じたことは一度もないのですが 笑)。


ミスマッチをいかにグッドマッチングに変えていくか、そこは今後も追及していかなければと思います。
id:cow53さんのコミットしているサービスは市場的に評価も高いので、今後もうまいことやっていっていただければと!

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>HASHIMOTOさん


はじめまして。

本ブログ運営者様の見解に、非常に「共感」致しましたので、失礼ながら、コメントを残させて頂きます。


コメント、ありがとうございます。

問題なのは、「ニセモノの良心」運営者が、今回記事を再アップしたという行為によって、特定企業への不当な悪影響が、再度改めて無駄に及ぶ可能性があることです。
指摘サイトの過去と今。そして、「ニセモノの良心」運営者の過去(訂正前)の記事と今の記事。
公の場において、未だに疑問を感じさせる表現を残しているのは、客観的な立場から見たところ、「ニセモノの良心」運営者の記事のほうにある気がしてなりません。


なるほど。ただ、「客観的」という言葉は難しいですね。ある意見が客観的かどうかを立証するのはきわめて難しいかと思います。なので私は「主観的」にコメントしようと思います。


少し前のエントリでも指摘しましたが、当該エントリは論旨が二転三転しているように思われ、結局何が言いたいのかがよくわからない内容になっていると感じています。それは追記により読者に対してさらに高度な読解能力を要求することになり、結論としてはあまりいい方向に進んでいないように思っています。このエントリを「客観的」に、つまり主体を離れて独立に見た場合どうなるのか、というのは正直分かりませんが、個人としての評価は「スルー」の対象かな、と思っています。


なので、私個人としてはブログ広告.comに対して「不当な悪影響が、再度改めて無駄に及ぶ可能性」はあまりないのかな、と感じております。


ちなみにHASHIMOTOさんとは異なり、私は「ニセモノの良心」というブログについて今回が初見でした。いろいろとエントリを見てみた感じでは興味深いものもあり、今後も購読していきたいと思っています(ご本人も「テレビ局勤務の中忘れていく常識や疑問を書き留めていく青臭くてイタめのブログ」という紹介をしているだけあって、なかなか刺激的なエントリが多いですが)。


それと、baloetさんからもコメントが入っていますが、

もう一点、マーケティング業界関係者の間で本件が話題となっているとのことですが、マーケティング業界の人のブログではここ以外どの辺りで話題になっているのでしょうか?いろいろな方の意見を見てみたいので、是非教えてください。


この点は私も非常に興味深いので、守秘義務等問題のない範囲で可能であればお話いただけるとすごく嬉しいです。


今後ともよろしくお願いいたします。

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>baloetさん


はじめまして。コメントありがとうございます。

まず、宣言は、「Ads by Google」など運営元を指す宣言のことです。amazonなどの場合、商品画像をバナー状態にしてブログに貼り付けられるコードを公開したりしていますね。会社として自社が絡んでいることを表示出来るものを用意しているかどうか。これは仲介会社のモラルにかかわるでしょう。


なるほど。そうですね。この部分異論はないです。ただ、下にも書きましたが、アフィリエイト広告との差異点については考える余地があると思います。

アフィリエイトなどでは、URLに各ブログ運営者ごとのIDなど、が入ったり、Googleのように一度Googleのサーバを通してクライアントのサイトにジャンプさせたり等、URLを見ることである程度広告かどうか判断がつくようになっています。しかし、今回の件では、URLはクライアントのサイトのURLそのままであり、広告を仲介する会社の存在は閲覧者からはわからず、一切の責任から免れてしまいます。これも仲介会社のモラルに関わる問題ですね。


この点は従前のエントリを書く際にも意識していたのですが、正直に話してしまうと、ブログ広告.comのサービスが、なんらかのトラッキングURLを挿入させるかどうかが分からなかったのであえて論点から外しました。ただ、極めて真っ当なご指摘だと思います。


ただ、もちろん「ある程度広告かどうか判断がつく」のはある程度ネットリテラシーの高い人間であると私は考えています。さらに言えば、リダイレクト方式のURLであれば広告かもしれないな、と分かる可能性が残されていますが、URLの後ろにパラメータを振るタイプのものでは、それを広告であると判別するのは、それを生業としているものでないと極めて困難だと思っています。


宣言の問題もURLの問題もそうですが、いずれもアフィリエイト広告の分野ではそれほど問題視されていなかった事項が、ブログを使った広告手法では問題になるのはなぜなんでしょうか。記事広告に対する一種の「嘘くささ」という違和感とどこか似ているかもしれません。今回「ニセモノの良心」のコメント欄にもアフィリエイト広告に対しての考え方の提示を要求する内容ありましたが、そこはもう少し考えないといけないですね。

最後に、動機とは、ブロガーがアフィリエイトやブログ広告を利用する時の動機です。自分の欲しい物や、感想を書くのが動機で、それに付随して行うのか、それとも、仲介会社からの依頼や紹介があってはじめて行うのか、です。後者の場合、そのブログ記事で一切広告であること等にふれていない場合、ブログの閲覧者が知ったら気分を悪くしないでしょうか?私だったらあまりいい気持ちがしません。


ここは上にcow53さんへの返答をさせていただいた部分とかぶりますが、あえてコメントをさせていただくと、閲覧者になってみないと何ともいえない、というのが今の率直な意見です。たしかに、確率論上は「いい気持ちがし」ない可能性のほうが高いように思えますが、その一言を持ってこのビジネスに対して「イケてない」という判断をするのは早計な気がしているため、というのが理由です。

ひどい物だと、仲介会社の用意した文章をちょっとアレンジしたもの、さらには、今回の会社とは関係ないアフィリエイト記事などで、WikipediaAmazonの商品紹介を丸写ししたものを、さも自分が書いたかのように載せている物も見たことがあります。これはブロガーのモラルと関わってくると思います。


それはちょっと酷いですね……。これも繰り返しになりますが、そういうモラルを欠いたブログ(をはじめとした表現主体)に対しての現代消費者の接触態度は徐々に進化していると思っていて、口コミのおいしいところだけを自分たちの利益に還元させよう、という消費者に対して不誠実な態度でコミュニケーションを行うと、間違いなく消費者にそっぽを向かれてしまう、場合によってはかなり早い段階で自然と淘汰されてしまうと思っています。


広告主も仲介会社もユーザーも、そういったリスクを十分に認識した上で口コミマーケティングというところに取り組むんだ、という気概があれば、それは十分に評価しうる行為だと思っています。それほどの気概があるのであれば、消費者を何とかだましてという思考にはならず、健全なコミュニケーションを土台とした良質なマーケティング活動が行われるんじゃないかな、と思いますので。


「どう思いますか?」というコメントに対する返答は以上になりますが、いかがでしょうか。
何かありましたらまたコメント、トラックバック等いただければと思います。


今後ともよろしくお願いいたします。

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空前絶後の長さになりましたが、ここまでお読みいただけた方、ありがとうございました。


ブログを使ったコミュニケーションはやはりすばらしいな、と今回改めて感じていまして、見たこともあったこともない方とこんなにも充実した内容で議論ができると、こんなものをタダでやらせていただいていていいのかな、なんて思ったりもします。


このエントリに対してもそうですが、今後ともいろいろと突っ込みをいただけると幸いです!