メディアの淘汰と口コミのコントロール


結構足の長い話題になっております。ブログ広告.com。
下のエントリでyanagi.さんにコメントをいただいた内容に対してレスをさせていただきます。

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yanagi.さん、はじめまして。コメントありがとうございます。

私は、世の中の人全てにリテラシーを求めるのはムリだと思っているので、ブログ広告.comのような実態のない口コミを作り出そうとするビジネスは、商売上モラルに反していると感じます。


実体のない口コミを作り「出そうとする」ビジネスでさえ商売上モラルに反しているといわれてしまうと、ブログ広告.comとしてはなかなか厳しいですね。では、実体の「あるなし」はどこで判断するのでしょうか。そのあたりコメントいただけると非常に幸いです。


勝手に解釈して話を進めると、「良いと思っていないものを良いと偽って書く」ことや「実体験していないので可否の判断がつかないものを良いと偽って書く」ことにより発生する口コミ(そんなことではそもそも口コミは発生しないと思っていますが)が「実体のない口コミ」であり、ブログ広告.comはそうした行為を推奨している(であろう)、ということが議論の前提としてあるんじゃないかな、と思います。


たしかに上記のような行為やそれを推奨するような行為は褒められるべきものではありません。「モラルに反している」という意見も理解できます(ただ、繰り返しになりますが、そんな行為をしたところで口コミは発生しないと思っています)。ただ、それはあくまで一般論で、それを各論、今回の件で言えばブログ広告.comというサービスはそういう行為を推奨する企業だというには、その論拠があまりにも弱い気がするのです。


これはおそらく実際にブログ広告.comの会員である人間がいない、もしくは会員である人間はそれを外部に表出させる手段がないために起こっているのだと思うのですが、前のエントリでも記載したとおり、個人的には最初からあるサービスが本来あるべき姿として想定しているケースについて言及せず、そのサービスの悪いケースばかりを想定して行う議論というのは、あまり好みではありません。


と、いうことで議論の前提がyanagi.さんと私で若干異なっているので、互いの主張に「違和感を覚える」のはやむをえないことだと思います。

「口コミは自然発生するもので、コントロール不可能なものであると定義付けてしまうと、そこで思考が終了してしまう」とおっしゃいますが、それはコントロールしてもいいものなのでしょうか?


これは私の文章構成力のなさに基づくミスリードだったかもしれません。段落を変えれば分かりやすかったかもしれないですね。


商品力であったりマーケティングプランであったり、手段は何でも良いのですが、広告主、もしくは広告代理店側なんらかの努力を行うことによって口コミを発生させることは可能である、という意味合いでの発言でした。


商品力の話で言えば、プロモーション費用もあまりなく、単館上映の予定であった映画「時をかける少女」の盛り上がりというのはその最たるものでしょうし、マーケティングプランの例で言えば(キャンペーンが数字的に成功しているかどうかは別として)、商材としてはごくありきたりな「ライフカード」のWebに誘導するCMというのは少なくとも私の周りでは盛り上がって(=口コミが発生して)いました。

確かに「広告」ということは「消費者の感情をコントロールする」ことなのかもしれませんが、それは一線を超えているような気がしてなりません。


広告全てが消費者の感情を確実にコントロールするのだとしたらそれは「一線を超えている」かもしれませんね。ただ、日ごろ接する広告の中で私たちの「感情をコントロールする」ものがどれほどあるでしょうか。それは口コミであれ広告であれなんら違いはないと思います。


いかなる媒体を用いようとも、受け入れられるものは受け入れられるし、逆にそっぽを向かれるものはそっぽを向かれる、そういう意味で私は「淘汰」という言葉を使っていますし、消費者を偽るような卑劣な手法でなく、誠実な努力を通して「口コミをコントロールしたい」と思っています。


素直な感想を述べると、この問題については議論がこのあたりまで来ると各人のメディアに対する期待感であったり、ビジネスに対する考え方であったりでひとつの結論を導くのはなかなか難しそうだな、と思いました。別にどちらが善でどちらが悪、ということでもないですし、ま、これでいいのか、とも。


以上です。今後ともよろしくお願いいたします。