検索キーワード×デモグラが持つその大きな意味


言及しづらいからエントリ分けたらいいのにな、といつも思うYahoo!検索スタッフブログ。Yahoo!にしかない情報と、さすがの分析力でいつも勉強させていただいているのですが、今回はちと強烈でした。

悲報にファン殺到、ZARD所属事務所「リレーションズ」 - Yahoo!検索 スタッフブログ - Yahoo!ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/yjsearchblog/47464441.html


ZARDさんの記事はひとまずおいておいて(ご冥福をお祈りします)、今回のポイントは下のほうにあるこのグラフ。


※引用元:Yahoo!検索スタッフブログ

ホットペッパー」「ホットペッパービューティー」の検索数が、実数ではないにしろでもグラフィックベースで比較されています。これはWebでのマーケティング戦略を考える上で非常に大きな変化だな、と。ひと言で言うとのどから手が出るほどほしいです……。


当たり前のことですが、世の中に存在する商品やサービスにはターゲットとするユーザーイメージが存在します。分かりやすいところで言うと、ファンタは完全にティーン向けですし、らくらくホンは60〜70代のお年寄りを対象としています。


私たちが日ごろ目にすることのできる検索数のデータ(例えばこのあたり→http://inventory.overture.com/d/searchinventory/suggestion/?mkt=jp)は、すべてのユーザーの合算値でしかなく、推定でものを言うしかありません。サーバに蓄積された表情のないデータを足元で見ながら、ディスプレイの向こうにいる皆さんを想像しているのですが、その想像が正しいのかどうか、確かめる術はなかなかありません。


例えば「ファンタ」というキーワードが1日500回検索されるとして、能動的に検索を行っているくらいだからきっと興味関心が高いだろう、そしておそらくはロイヤルカスタマー(もしくはその候補)であるティーンの含有率が高いだろう、という想定は誰しもが行うと思います。きっと。


ただ、実はしずちゃんやボーズのファンがCMを見たいがために検索しているだけかもしれませんし、代理店の人間がキャンペーン展開を見るために検索しているだけかもしれません。ティーンどころかいいオッサンです。


そんなサラダボウル状態の「ファンタ」検索ユーザーに対して行うコミュニケーションは、どうしても民主主義的、企業側の都合を最優先したものになりやすいです。少数派は切り捨てられる。切り捨てざるを得ない。


ただし、もしも属性を付与された検索ユーザーに対して細かなターゲティングが行えるとしたら、コミュニケーションの幅が広がることは間違いないです。オッサンに対してはそれなりの、ギャルに対してはそれ相応のコミュニケーションプランニングがありますので。


そして今回、Yahoo!がこのデータを公にしたことで、その期待はますます高まります。大量のデータに対するアドサーバ等々の演算負荷なんかも考えなくてはいけませんが、物理的にはYahoo!IDベースのデモグラ×検索キーワードのターゲティングが可能であることが宣言されたわけです。


Panamaもいいですが、Yahoo!独自の広告メニュー、作ってくれないかな……。