あたらしい戦略の教科書


戦略本の中では最も簡単に、そして迅速に読める本のひとつ。


あたらしい戦略の教科書

あたらしい戦略の教科書


今年に入って最も多く読んだ、そして読み続けるジャンルであろう「戦略」。さすがに重複部分が多くなりだして、それはネガティブなことではなく読書スピードも上がってハッピーなことなのですが。


全体の印象としては「戦略的な戦略論」と「戦術的な戦略論」が入り混じっていながらも、すべてが即日実行、もしくは意識可能である点で、非常に優れていると思います(著者は「戦略」と「戦術」を区別することに意味はないと言い切っていますが)。


「教科書」というタイトリングをすることの狙いは、初心者読者を対象としたことにあるのでしょうが、それは正解。逆に、ある程度知見がある方にとってはおさらいの内容が大部分だと思います(私のような若輩者にとっては日々おさらいが必要なので、とても有益)。


それと、著者自身があくまで「外部のコンサルタント」として戦略立案に携わられた経験がある方のようで、ある程度ドライに割り切っている部分が多々あります。事業会社側にいらっしゃる方にとっては、「そうは言うけれど」という部分がちょこちょこあるかも。


以下、簡単にメモ。

現在のスイート・スポットをいかにして有効活用するか(攻める戦略)
現在のスイート・スポットをいかにして維持するのか(守る戦略)
将来的にスイート・スポットをいかにして広げていくか(成長させる戦略)


当たり前だけど、ベン図で考えたことがあまりなかったので。図解も含め参照。

これからの時代の目標のデザインには、厳しい成績目標を、いかにして達成可能な熟達目標に翻訳していくのかという視点が求められる


教育心理学的視点からの達成と個人の成長に対するアプローチ。きわめて明快だが同時に困難。ただ、意識する必要はある。とても。

「ブレイクスルー」とは、それまでトレードオフだと思われていたことを、これまでになかったあたらしいアイデア一発で解消してしまう行為


トレードオフからの脱却という捉え方は新鮮。でも、超真実(あくまで一面だけど)。


あとはCSIとか、興味深くて即実行可能なものがいくつかあったのでそれは貪欲に取り入れようっと。