みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶ
良い。1時間半で読める。以下、良かったところと感想。
みんなに好かれようとして、みんなに嫌われる。勝つ広告のぜんぶ
- 作者: 仲畑貴志
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2008/12/16
- メディア: 単行本
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「早い話が」から発想する方法。
極めて実践的な方法論。ライフハック(笑)
距離が近いのに、あまり強い言葉を投げ出すと、相手の心を刺し貫いてしまうし、遠い距離なのに弱い言葉だと、届く前にポトンと落ちてしまう。
クリエイティブワークの際の変数の話。仲畑さんの脳みその中にはきっと計算機があるんだ。
転校生が、新しいクラスに馴染み、受け入れられようとして、ちょいとオチャメをやったりボケ味を付けたりする。子どもたちでさえ知っている、こんな工夫と効果を無視した広告表現が多すぎる。
かっこつけたって何も始まらないですよ、ということ。ブランドと商材に拠るけど。
コピーもまた、意味として伝わる部分だけでは伝わりにくい。コピーの中の『エビフライの尻尾』が、多くを伝えるのである。
ちなみに、エビフライは尻尾がないとウンコに見える、と仲畑先生はおっしゃってます。
新製品はもちろん、新たに商品広告に着手するときは、その商品を一人の人間に見立てて人格形成をしてから表現に入ると、その後の広告活動にブレがなく進行できる。
これもやろう。ちなみに、自分の身の回りにあるものは自分と同じようなやつか、自分が大好きな人みたいなやつが多くなりそう。あ、これちょっとおもしろい。
データやマーケティングにもとづく確信ある理論が広告作りの出発点で、その上で、制作者が強いベクトルを持って思いっきり振り抜くほど、到達率が良く、深度の深い表現を得ることが出来る。
ところが困ったことに、論理が表現を阻害することも多い。
良く語られることだけど。一人のマーケターとしては、自分の構築したロジックを軽々と超えてくれるくらいの表現が出てきて欲しいと、いつも思っています。クリエイティブの皆さん、お待ちしてます。
広告は、どうしても広告に見えてしまうから、どれほど商品とかけはなれた表現方法をとっても、受け手はその商品を推奨していると受け取ってくれるのであった。
コンテキストを利用して無茶する方法。CMは特にそうだよなー。WEBって、「広告らしく見えること」をすごく嫌がるけど、それを利用、活用しない手はないと思う。
コピーを読んだ人が心を動かし、広告はよい結果をもたらした。普通はここまでかもしれない。だが、それだけで終わらず、そのコピーが心に残ったり、そのコピー自体を味わったり楽しんだりしてくれたとしたら、じつに幸せなオマケが付いたと言えないだろうか。
うれしくなった。希望が生まれた。元気になった……など、そのコピーに触れたひとの胸におまけを残すコピーです。
仲畑さんのコピーはすごいと思うし、そのすべてが好きなわけではないけど、今まで触れてきたコピーの中で一番好きなものかもしれない作品があるので、最後の「オマケ」論、「チャーミングなコピー」論はとてもうれしく思いました。ちなみに、そのコピーは本書の序盤にも登場しますが、
『愛とか、勇気とか、見えないものも乗せている。』
というJR九州の企業広告のコピー。何度も読んで、CMで流れているナレーションの声で聞いて、自分でも口に出して言ってみるけれども、ここまで叙情的(と叙述してしまうと陳腐だけど)なコピーはあまりないな、すごいな、といつも思っています。
言葉に魂を。言葉に力を。そこが本職じゃないけど、本職の人に負けないくらい、もっともっと頑張らなくちゃ。