ヴォルフガング・ティルマンス:Freischwimmer

http://www.operacity.jp/topics/040806.html


2004年10月16日〜12月26日、東京オペラシティアートギャラリー

ドイツに生まれ、ロンドンを拠点に活躍中のアーティスト、ヴォルフガング・ティルマンス(1968〜)は、現代の若者の姿をストレートに写し出した1990年代初期の写真作品で、一躍脚光を浴びる存在となりました。『i-D』、『Interview』、などのファッション・カルチャー雑誌を通して世に知られることになったティルマンスは、イギリス、ヨーロッパのみならず日本においても、ユース・カルチャーの代弁者として、若い世代を中心に絶大な人気を博しています。
身近な友人や街中の若者、有名モデル、兵士などのポートレートで、ティルマンスは時にセクシュアリティジェンダーなどでタブー視されている一線を越え、被写体が内面に抱えるアイデンティティや欲望、それに伴う喪失感や脆さを真正面から写し出しました。室内外の風景や静物、皺を寄せたセンシュアルな質感の服、上空から見下ろした都市など、人物以外の日常を写した写真には、美しいものばかりではない現実のなかで、一瞬にして過ぎ去ってしまう繊細な美をとらえています。さらに1998年には光の現象を定着させた抽象的なイメージの作品を発表し、人々の予見を軽やかに、そして心地良く裏切る衝撃的な展開をみせました。
どこにも属さないインディペンデントな存在であるため、そして一人のアーティストとして自由な表現を勝ち取るため常に新しい試みに対して、静かに、けれど果敢に向かうティルマンスの姿勢は、新シリーズの作品名でもあり、ドイツ語で「自由に泳ぐ人・自由に生きる人」と「初めてのスイミング・テスト」を意味する「Freischwimmer(フライシュヴィマー)」という本展のタイトルにも込められています。


BRUTUSでの特集、トップバッターを飾ったティルマンスの大規模な個展。
ティルマンス本人によるインスタレーションとか、映像作品もあるらしいですよ。必見。


 -> related url : BRUTUS #503 - BOYS' LIFE ?BORN TO BE A PHOTOGRAPHER