原広司展 ディスクリート:Discrete City

http://www.toto.co.jp/gallerma/ex041202/


2004年12月2日〜2005年2月19日、ギャラリー間。

ディスクリート(離散的な)または、ディスクリートネス(離散性)という概念は、梅田スカイビル(1993)、JR京都駅ビル(1997)、札幌ドーム(2001)などを設計した建築家原広司(Hiroshi Hara)氏が、70年代から独自に継続してきた集落調査を土台として生まれてきました。


建築家は得てして自分の考えを難解な理論に落とし込もうとするのですが、それが建築家を建築家たらしめている大きな要因であって、1級建築士資格取ったからってその人は建築家じゃないんだ、と気付いたのはいつのことだったか、なんて考えつつ、原広司の理屈も難解そうだなぁ……。

原氏は「離散性という概念は、部分と全体をめぐるひとつの論理」であり、その理想形は簡単にいえば、「人が何人いようが、ありうるすべての組合せを列挙できる構造」となる位相をもつ空間である、と指摘しています。同氏は、この概念のリアライゼーションとして、2003年南米ウルグアイの首都モンテヴィデオに、住み手が自ら造ることができる3棟からなる実験住宅を学生の手で建設。離散性の試行プロジェクトとしてスタートさせました。今秋、ギャラリー・間の展覧会にあわせ、南米アルゼンチンの都市コルドバに、第2弾のプロジェクトが始まります。


そんな位相をもつ空間がなぜ「ディスクリートネス」というタームで表現されるのか、文献を読んだだけでは到底理解できそうでないので実験住宅のプロジェクト展示を眺めつつ考えたいと思います。


関連して、「淵上正幸のアーキテクト訪問記」第20回は「原広司氏に肉迫する」。行く前に予習しましょう。ああ、勉強(する時間が)足りん……。