広告コピーってこう書くんだ!読本
良書です。とにかく読むべし。
この業界にいる方はもちろん、表現をして誰かに自分の思いを伝えたいと思っている方は読んでおいたほうがいいと思います。絶対に。
- 作者: 谷山雅計
- 出版社/メーカー: 宣伝会議
- 発売日: 2007/05/15
- メディア: 単行本
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以下、読書メモです。
ものすごく単純にいえば、その関係をひとつずつ、原稿用紙に書いていくといい。そうすれば、たくさんの本数のコピーを書くことができます。
成功されている方は必ずおっしゃいますね。ただ、単に100本というのではなく、具体的な量産方法まで提示してくれているのがいいなあ、と。今であればマインドマップでやるんでしょうな。きっと。
「広告はふつうの人の知性を期待してもいいが、ふつうの人の意欲を期待してはいけない」
受け手意識の重要性。Webの世界ではさらに意欲のレベルが低くなるはず。
むしろ考えてほしいのは、「自分のペンの力で、今ある状況を何とか変えてみせよう」ということ。
芸術じゃないし美しく表現することが目的ではない。職業コピーライターが行うことはあくまで問題に対するソリューションの提示である、ということ。
第4段階、ここが大切なところですが、「新聞広告を見た人が他人になんと言うだろうか」「どう伝えるだろうか」と考えます。
当たり前といえば当たり前ですが、すでに今で言う「バイラル」の要素を想定しながらコピーを書かれていた、ということになります。届いたところで終わりではなく、拡散しなくちゃ意味がない。
「時代感覚」
それはすなわち、「そういえばそうだね」といわれるための能力。
平凡に近いということは、誰にも分かる"間口の広さ"があるということ。でも、広い間口から入っても、思考や仕上げを徹底的に"深く"追求するから、「強い普遍」をつくれる。
大貫さんの仕事を引用しつつ、広告が目指すところはここ、という締め方。「思考」と「仕上げ」だけだとは思いませんが、間口は広くないとマスで成功するのは困難ですね。
終始淡々と、丁寧に語られる内容は、いずれも奇抜なものではありません。ただ、氏がこれまで経験してきたことをきちんと普遍化し、「こうやればうまくいく!」ではなく「こうするとうまくいくかもしれないですよ」という内容を惜しげもなく綴ってくれています。
業界にいるからそう思うだけなのかどうなのか、最近広告クリエーターの著作が目立ちますが、その中でも自信を持ってお勧めできる一冊です。物の見方、世の中の見方、人間の見方ががらっと変わるかもしれません。
さ、コピー書こ。